【2026年】東海三県の最低賃金|愛知1,195円・岐阜1,121円・三重1,143円

2026年東海三県の最低賃金と業務改善助成金申請の必要書類・整合性を案内するサムネイル

2026年度(令和8年度)の地域別最低賃金は、愛知県1,195円、岐阜県1,121円、三重県1,143円で、3県とも2026年10月1日に発効することが決定しています。愛知・岐阜・三重で従業員を雇用する事業者は、時給者だけでなく、月給者や日給者も時間額に換算して確認する必要があります。

最低賃金対応とあわせて賃上げと生産性向上の設備投資を行う中小企業は、業務改善助成金の対象になる可能性があります。東海三県では、交付申請と賃上げは原則として2026年9月30日までです。ただし、用意するのは申請書だけではありません。賃金台帳、勤怠記録、雇用契約書、就業規則、見積書などの内容をそろえる必要があります。

この記事の結論

  • 愛知1,195円、岐阜1,121円、三重1,143円。発効日は3県とも2026年10月1日
  • 業務改善助成金は、改定後の地域別最低賃金未満の事業場内最低賃金を50円以上引き上げ、生産性向上設備等を導入する中小企業が対象候補
  • 9月1日以降に申請、申請後に賃上げ、交付決定後に設備投資の順番を守る
  • 申請書、賃金台帳、勤怠、雇用契約、就業規則、見積書の数字と日付が一致しているかを確認する
  • 申請全体の支援だけでなく、申請書類の作成・整合性確認のみの依頼も可能

9月30日までの準備に不安がある方へ

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2026年度・東海三県の最低賃金

都道府県 現行額 2026年度の新額 引上げ額 発効日 9月18日時点の状況
愛知県 1,140円 1,195円 55円 2026年10月1日 改正決定・官報公示済み
岐阜県 1,065円 1,121円 56円 2026年10月1日 改正決定
三重県 1,087円 1,143円 56円 2026年10月1日 改正決定・官報公示済み

岐阜労働局は2026年9月1日に1,121円への改正決定を公表し、三重労働局も同日に1,143円への改正決定と官報公示を行いました。愛知労働局も、1,195円、10月1日発効への改正を決定し、9月1日に官報公示を行いました。

新額の適用は2026年10月1日からです。9月30日までは、地域別最低賃金は愛知1,140円、岐阜1,065円、三重1,087円です。

愛知県の最低賃金2026:1,195円

愛知県は現行1,140円から55円引き上げ、1,195円、2026年10月1日発効です。名古屋市を含む愛知県内の事業場に適用されます。

岐阜県の最低賃金2026:1,121円

岐阜県は現行1,065円から56円引き上げ、1,121円、2026年10月1日発効です。地域別最低賃金を下回る特定最低賃金の適用業種でも、高い方の地域別最低賃金以上への改定が必要です。

三重県の最低賃金2026:1,143円

三重県は現行1,087円から56円引き上げ、1,143円、2026年10月1日発効です。2026年9月1日に改正決定と官報公示が行われました。

最低賃金改定で経営者が確認する4つのこと

1.パート・アルバイトを含む対象者を確認する

地域別最低賃金は、原則として年齢や雇用形態に関係なく、その県内の事業場で働く労働者に適用されます。正社員だけでなく、パート、アルバイト、学生、外国人労働者も対象です。派遣労働者には派遣先の地域別または特定最低賃金が適用されます。

2.月給者・日給者も時間額に換算する

時給者だけを確認して終わりではありません。月給者は月給額を1か月平均所定労働時間数で割り、日給者は日給額を1日の所定労働時間数で割るなど、時間額に換算します。

精皆勤手当、通勤手当、家族手当、賞与、時間外・休日・深夜労働の割増賃金などは、最低賃金と比較する賃金から除外されます。「総支給額が高いから問題ない」とは限りません。

3.特定最低賃金との高い方を確認する

特定の産業には、地域別最低賃金と別に特定最低賃金が定められています。両方が適用される労働者には、原則として高い方の金額を支払う必要があります。

4.最低賃金より少し上の層も見直す

最低額の労働者だけを新額まで上げると、経験年数や職責の異なる労働者との賃金差が縮まることがあります。法令対応に加え、等級、役割、勤続年数を踏まえた社内の賃金バランスも確認しましょう。

業務改善助成金を最低賃金引上げと一緒に検討するメリット

最低賃金の引上げは、対象となる従業員がいれば必ず対応しなければなりません。一方、業務改善助成金は、事業場内で最も低い時間当たり賃金を50円以上引き上げ、生産性向上や労働能率の増進につながる設備投資等を行う中小企業に、その費用の一部を助成する制度です。

最低賃金への対応と設備投資を一つの計画として検討できることが、この時期に業務改善助成金を確認する大きなメリットです。単に賃金額を新しい最低賃金まで修正するだけで終わらせず、賃上げ後も無理なく事業を続けられるよう、日々の作業時間や負担を減らす設備投資まで同じタイミングで考えられます。

メリット1.必要な賃上げを、業務改善のきっかけにできる

最低賃金の改定に伴う人件費の増加は継続的に発生します。そこで、賃金の見直しと同時に、手作業の削減、処理時間の短縮、従業員の身体的負担の軽減などにつながる設備を検討すれば、法令対応を生産性向上のきっかけに変えられます。

申請では、設備を導入すること自体ではなく、現在の作業にどのような課題があり、導入後に作業時間や工程がどう改善するのかを説明します。この整理は、助成金のためだけでなく、自社に本当に必要な設備かを判断する材料にもなります。

厚生労働省の令和8年度案内では、対象経費の例として、POSレジシステムによる在庫管理時間の短縮、リフト付き特殊車両による送迎時間の短縮、国家資格者による業務フローの見直し、顧客管理情報のシステム化が示されています。設備名だけで判断するのではなく、自社のどの作業をどのように改善するかを明確にすることが重要です。

メリット2.設備投資の負担を抑えながら、生産性向上を進められる

賃上げと設備投資を同時に行うと、一時的な設備費と継続的な人件費が重なります。業務改善助成金の対象になれば、生産性向上等に必要な設備費の一部について助成を受けられる可能性があるため、自己資金だけで設備を導入する場合よりも投資負担を抑えられます。

助成対象になるのは賃金そのものではなく、審査で認められた設備投資等の費用です。また、要件を満たしても交付・支給が保証される制度ではありません。助成金の有無だけで購入を決めず、交付されない場合でも必要な投資か、立替資金を確保できるかまで確認することが大切です。

令和8年度の助成率は、引上げ前の事業場内最低賃金によって次のように変わります。

引上げ前の事業場内最低賃金 助成率
1,050円未満 4/5
1,050円以上 3/4

助成上限額は、50円・70円・90円のコース、賃金を引き上げる労働者数、事業場規模によって変わり、最大600万円です。実際の助成額は、「対象となる設備投資等の費用に助成率を掛けた額」と「助成上限額」を比較し、原則として低い方を基準に審査されます。10人以上の上限額区分は、一定の特例事業者が10人以上の労働者の賃金を引き上げる場合に限られます。

メリット3.賃上げや発注の順序を先に整理し、申請機会を逃しにくくなる

最低賃金対応だけを先に進めてしまうと、申請前に賃金を引き上げたり、交付決定前に設備を発注したりして、業務改善助成金の対象にできなくなる可能性があります。東海三県では最低賃金の発効日が10月1日のため、2026年度は原則として9月30日までに交付申請と賃上げを行う必要があります。

最低賃金額を確認した段階で業務改善助成金も一緒に検討すれば、「対象判定・見積取得・申請・賃上げ・交付決定・設備発注」の順番を先に組み立てられます。期限直前になって対象設備や必要書類がそろわない事態も避けやすくなります。

メリット4.賃金表と労務書類をまとめて見直せる

最低賃金の改定では、最低額の従業員だけでなく、その少し上の賃金で働く従業員とのバランスも問題になります。助成金の対象確認と並行して、賃金台帳、勤怠記録、雇用契約書、就業規則、賃金規程を確認することで、月給者の時間額不足、賃金表の逆転、改定日や所定労働時間の不一致を見つけやすくなります。

検討項目 最低賃金対応だけを先に行う場合の注意 業務改善助成金と一緒に検討する利点
賃上げ 新額への変更だけになり、周辺の賃金層とのバランスを見落としやすい 対象者と引上げ額を確認しながら、賃金表全体を見直せる
設備投資 最低賃金対応後に別予算として検討することになる 人件費増加と生産性向上策を一つの資金計画で考えられる
実施時期 先に賃上げや発注を行い、助成対象にできない可能性がある 申請・賃上げ・交付決定・発注の順番を事前に管理できる
社内書類 給与額だけを変更し、契約書や規程の更新が後回しになりやすい 賃金台帳、勤怠、雇用契約、就業規則をまとめて点検できる

業務改善助成金の対象となる事業者チェックリスト

以上のメリットを活かすには、賃上げや設備発注を行う前の対象確認が必要です。次の項目をすべて満たす事業場は、対象候補です。

  1. 中小企業・小規模事業者の規模要件を満たす
    資本金・出資総額または常時使用する労働者数のいずれかが、主たる業種の基準以下で、みなし大企業に該当しないことを確認します。
  2. 現在の事業場内最低賃金が現行の法定最低賃金以上である
    申請時点で適用されている地域別最低賃金または特定最低賃金を下回っている場合は、先に法令違反の状態を解消する必要があります。
  3. 事業場内最低賃金が2026年度の新しい地域別最低賃金未満である
    申請時点で、事業場で最も低い時間給の対象労働者が改定後の地域別最低賃金以上である場合は申請できません。
  4. 雇入れ後6か月を経過し、申請日時点で雇用保険被保険者の労働者がいる
    事業場内最低賃金の引上げ対象となる労働者について、雇入れ日と雇用保険の加入状況を確認します。
  5. 事業場内最低賃金を50円・70円・90円のいずれか以上引き上げられる
    選択したコースの金額以上を1回で引き上げ、引上げ後の事業場内最低賃金と同額を就業規則等に定めます。
  6. 生産性向上・労働能率増進につながる設備投資等がある
    機器、システム、コンサルティング等によって、申請事業場の作業時間短縮や労働能率の増進を具体的に説明できることが必要です。
  7. 解雇、賃金引下げ、労働保険料滞納などの不交付事由がない
    一定期間の解雇や賃金引下げ、労働保険料の滞納、労働関係法令違反、同一経費に対する他の助成との重複等を確認します。

中小企業の規模基準

主たる業種 資本金または出資総額 常時使用する労働者数
その他の業種 3億円以下 300人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
サービス業 5,000万円以下 100人以下
小売業 5,000万円以下 50人以下

資本金・出資総額と労働者数は、原則としてどちらか一方を満たせば規模要件の候補になります。ただし、大企業との資本・役員関係等により、みなし大企業として対象外になる場合があります。医療法人、社会福祉法人、NPO法人など資本金・出資総額がない法人は、常時使用する労働者数で判断します。

東海三県で対象候補になりやすい事業場

都道府県 地域別最低賃金のみを前提にした初期確認範囲
愛知県 1,140円以上1,195円未満
岐阜県 1,065円以上1,121円未満
三重県 1,087円以上1,143円未満

この表は、地域別最低賃金だけを使った初期確認です。特定最低賃金の適用、賃金の算入範囲、雇用保険・雇入れ期間、引上げ額、設備投資、不交付事由によって結論は変わります。制度全体の助成率・上限額・流れは、2026年度の業務改善助成金申請ガイドをご覧ください。

9月30日までの申請・賃上げと、交付決定後の設備投資

令和8年度の業務改善助成金は、2026年9月1日から申請受付が始まっています。申請期限は、地域別最低賃金の発効日の前日または2026年11月30日のいずれか早い日です。東海三県は10月1日発効のため、申請と賃上げの期限は9月30日となります。

  1. 今すぐ:対象判定と書類準備
    賃金の時間額再計算、対象労働者、就業規則等の改定案、設備の見積書、導入前後の改善効果を整理します。
  2. 9月1日以降:交付申請
    事業場所在地を管轄する労働局へ、交付申請書と事業実施計画書、添付資料を提出します。
  3. 申請後、9月30日まで:賃上げ
    選択コースの金額以上を1回で引き上げ、引上げ後の事業場内最低賃金と同額を就業規則等に記載して適用します。
  4. 交付決定後:設備投資
    交付決定通知を確認してから、設備の発注、契約、導入、支払いを行います。
  5. 事業完了後:実績報告と支給申請
    賃上げ後の賃金台帳、改正後の就業規則、納品書、設備写真、振込記録などを提出します。

順番を逆にしないでください。

  • 申請前に賃上げを実施すると、計画に基づく賃上げとして認められない場合があります。
  • 発効日当日の10月1日に賃上げしても、業務改善助成金の賃上げ期限後です。
  • 交付決定前に設備を発注・契約・導入・支払いすると、助成対象になりません。

令和8年度の事業完了期限は、原則として交付決定の属する年度の1月31日です。設備の納品、代金の支払い、賃金引上げのうち最も遅い日が事業完了日となり、いずれも期限内に終える必要があります。やむを得ない理由があり、事前に理由書を添えて申請して認められた場合は、3月31日まで延長されることがあります。

申請前に準備したいチェックリスト

期限が短いため、交付申請書を書き始める前に、対象者、賃金、設備、資金、社内書類を一度に整理します。次の項目を確認できれば、その後の書類作成や整合性点検を進めやすくなります。

  • 労働者ごとの雇用形態、雇入れ日、雇用保険加入状況
  • 直近の賃金台帳、勤怠記録、給与明細、給与振込記録
  • 月給・日給・歩合給を含む時間当たり賃金の再計算
  • 就業規則、賃金規程、雇用契約書と実際の運用の整合性
  • 50円・70円・90円コースごとの引上げ対象人数と人件費の試算
  • 設備導入前後の作業工程と、短縮できる時間の根拠
  • 設備の仕様書、見積書・相見積書、交付決定後の納期
  • 設備代金をいったん支払うための資金計画
  • 解雇、賃金引下げ、労働保険料滞納、法令違反、他の助成との重複の有無

この段階で不足している資料と社内で確認すべき人を洗い出すことが、自社申請でも専門家へ依頼する場合でも、期限内に進めるための第一歩です。次の章から、申請が難しくなる理由と必要書類を詳しく説明します。

業務改善助成金を自分で申請するのが難しい4つの理由

業務改善助成金は、事業者が自分で申請することも可能です。しかし、「様式に文字を入れれば完了」という手続ではありません。難しさは、複数の書類に書かれた数字・日付・労働条件・設備内容を一致させ、申請後も同じ計画どおりに実施して証明することにあります。

1.月給・日給・歩合給を時間額に正しく換算する

賃金の換算では、最低賃金に算入する手当と除外する手当を分け、所定労働時間、実労働時間、変形労働時間制の有無、端数処理を確認します。従業員ごとに賃金形態が異なると、確認作業が増えます。

2.申請書と労務書類の整合性を取る

申請書に記載した所定労働時間、賃金額、賃金引上げ日は、賃金台帳、勤怠記録、雇用契約書、就業規則、賃金規程の内容とつながっています。どれか1枚だけを修正しても、他の書類と合わなければ追加説明や修正が必要になり得ます。

当事務所の匿名化した助成金支援案件では、実労働時間から再計算した賃金額と実際の支給額に数円の差があり、確認を受けた例があります。数円の差が必ず不交付になるという意味ではありませんが、計算方法、端数処理、勤怠、賃金台帳、給与明細、振込額まで照合する必要があります。

3.設備の生産性向上効果を数値で説明する

「新しい設備が必要」と書くだけでは、業務改善計画として不十分です。現在の作業工程、1回または1日当たりの作業時間、導入後の作業時間、削減時間の根拠、効果が及ぶ対象労働者を整理します。その内容は、見積書やカタログの設備名、型番、数量、金額とも一致させる必要があります。

令和8年度は、特殊用途自動車を除く自動車が対象外です。当事務所でも、営業車や送迎車を前提としたご相談で投資計画を見直した例があります。特殊用途自動車も区分だけで自動的に対象になるわけではないため、設備の種類だけで対象可否を決めず、最新の交付要領と事業内容を照合してください。業種別の対象設備・対象経費例も参考になります。

4.申請後も補正、変更、実績報告が続く

交付申請を提出したら終了ではありません。不備や確認事項があれば追加資料を用意し、設備、金額、数量、引上げ労働者数、事業完了日に変更がある場合は、原則として実施前に相談・手続を行います。

当事務所の匿名化した業務改善助成金支援案件では、2025年10月頃の申請後、2026年7月下旬時点でも交付決定に至っていない案件が複数あります。これは当事務所の支援案件における経験であり、全国の標準的な審査期間を示すものではありません。

交付決定前に発注しない一方で、交付決定後は事業完了期限を守る必要があります。審査が長期化しても対応できるよう、見積書の有効期限、設備の納期、立替資金、追加資料を用意する社内担当者まで決めておくと、手戻りを減らしやすくなります。

業務改善助成金の交付申請で用意する書類

三重労働局の令和8年度版必要書類一覧をもとに、交付申請時の主な書類を整理します。実際には管轄労働局の案内と個別事案により、追加書類を求められることがあります。

分類 主な書類 確認ポイント
申請様式 交付申請書(様式第1号)、国庫補助金所要額調書(別紙1)、事業実施計画書(別紙2) 申請者、事業場、賃金引上げ、設備内容、経費の記載を統一
設備・経費 見積書、契約予定額10万円以上の場合の相見積書、写真、パンフレット、カタログ、仕様書 設備名、型番、数量、金額、税区分、有効期限、納期を一致させる
賃金・勤怠 対象労働者の申請前6か月分の賃金台帳、必要に応じたタイムカード等の勤怠記録 総労働時間、時間外・休日・深夜労働時間、基本給、手当、控除と実支給額を確認
労働条件 就業規則、賃金規程、労働条件通知書・雇用契約書、会社カレンダー、変形労働時間制の協定書等 所定労働日数、所定労働時間、賃金・手当の決め方と実際の運用を照合
特例事業者 物価高騰等要件の申出書、申請月の前月からさかのぼる6か月の月次損益計算書・試算表等と前年同期資料 売上高総利益率または売上高営業利益率の算定根拠を統一

歩合給がある場合は申請前1年分の賃金台帳が必要になるなど、賃金形態や特例要件によって資料範囲が変わります。一覧にある書類をそろえるだけでなく、その書類の内容が申請要件と一致しているかが重要です。

申請書類の整合性を6つの組み合わせで確認

申請前には、次の組み合わせで書類を照合してください。

  1. 労働時間
    雇用契約書・就業規則・会社カレンダーの所定労働日・所定労働時間は一致しているか。
  2. 勤怠と支給額
    勤怠記録の労働時間、賃金台帳の支給・控除、給与明細、実際の振込額は一致しているか。
  3. 手当の計算
    賃金規程に定める支給条件と実支給が一致し、最低賃金に算入する手当と除外する手当を正しく分けているか。
  4. 設備と見積もり
    事業実施計画書の設備名、型番、数量、金額は、見積書・相見積書・カタログと一致しているか。
  5. 改善効果
    現在の作業工程と時間、導入後の作業工程と時間、削減できる時間、対象労働者への効果に一貫性があるか。
  6. 手続の日付
    交付申請日、賃金引上げ日、交付決定日、設備の発注日・契約日・納品日・支払日が、制度の順序を守っているか。

これらは、一枚ずつ見ると正しく見えても、横断して照合すると不一致が見つかることがあります。社内で申請する場合も、作成担当者と別の人が、賃金・労働時間・日付・設備仕様を横断的に点検するとよいでしょう。

交付申請の後は実績報告の証拠書類も必要

交付決定後は、申請した計画どおりに賃上げと設備投資を行ったことを証明します。主な書類は次のとおりです。

  • 事業実績報告書(様式第9号)と別紙1・別紙2
  • 支給申請書(様式第10号)
  • 賃上げ後の賃金台帳と、必要に応じたタイムカード等の勤怠記録
  • 引上げ後の事業場内最低賃金を記載した就業規則、変更届、意見書等
  • 納品書、設備の全体・型番・工事前後等が分かる写真
  • 預金通帳・振込明細等、支出の振込記録が客観的に分かる資料

対象設備の写真や支払証拠は、事業完了後に後から作り直すことができません。申請段階から、実績報告でどの証拠を残すか決めておくことが重要です。

業務改善助成金は申請全体も、書類作成だけも依頼できます

「社内に助成金の担当者がいない」「9月30日までに賃金計算と書類をそろえる時間がない」という場合は、申請全体の支援をご相談ください。

一方で、「申請の提出や労働局との連絡は自社で行える」「賃金台帳や見積書はそろっているが、申請書の作成と整合性チェックに自信がない」という方もいらっしゃいます。DHorse社会保険労務士事務所では、業務改善助成金の申請書類の作成だけのご依頼も受け付けています。

ご希望 相談例 向いている事業者
申請全体の支援 対象可能性、賃金計算、労務書類、設備計画、申請書類、その後の手続を含めて相談したい 社内で申請工程を管理する人員・時間が足りない事業者
書類作成・整合性確認のみ 申請と労働局対応は自社で行い、申請書類の作成、賃金計算、書類間の照合を依頼したい 社内に申請担当者がいるが、書類作成と専門的な点検だけを任せたい事業者

相談の段階で、すべての書類がそろっている必要はありません。

現在の事業場内最低賃金、従業員数、導入を検討している設備、手元にある賃金台帳・就業規則等の状況をお聞きし、必要な準備を整理します。無料相談で「申請全体」または「書類作成のみ」とご希望をお知らせください。

よくある質問

最低賃金が上がると、自動的に業務改善助成金を受けられますか?

いいえ。法定最低賃金への対応だけで自動的に支給される制度ではありません。中小企業の規模、事業場内最低賃金、対象労働者、50円以上の計画的な賃上げ、生産性向上設備、不交付事由などを確認し、交付申請、交付決定、事業実施、実績報告、支給申請を経る必要があります。

業務改善助成金は自分で申請できますか?

はい、申請者自身で申請できます。ただし、賃金計算、対象労働者、労務書類、設備の改善効果、見積内容、実施日の整合性を自社で管理する必要があります。

申請書類の作成だけを依頼できますか?

はい。申請や労働局との連絡は自社で行い、申請書類の作成、賃金計算、賃金台帳・勤怠・雇用契約・就業規則・見積書の整合性確認だけを依頼することも可能です。支援範囲は現在の準備状況を確認したうえでご案内します。

まだ設備を決めていなくても相談できますか?

はい。現在の作業工程と負担、改善したい業務を先に整理すると、設備投資の方向性を検討しやすくなります。設備名からではなく、どの作業をどれだけ改善するかからご相談ください。

見積書を取ったら設備を発注してもいいですか?

見積書の取得は申請準備として必要ですが、設備の発注・契約・納品・支払いは交付決定後に行います。見積もりの有効期限と交付決定後の納期は、販売事業者に確認しておきましょう。

書類の不備を修正すれば必ず交付されますか?

いいえ。不備の修正や追加資料の提出は審査を受けるために必要ですが、交付・支給を保証するものではありません。制度は予算の範囲内で交付され、対象要件、不交付事由、事業実施、実績報告等の審査があります。

まとめ:9月30日の前に、賃金と申請書類の整合性を確認しましょう

2026年度の最低賃金は、愛知1,195円、岐阜1,121円、三重1,143円で、3県とも10月1日に発効することが決定しています。業務改善助成金を活用する場合、東海三県の交付申請と賃上げの期限は9月30日です。

限られた期間で、対象判定、賃金再計算、労務書類の整合性確認、設備の見積もりと改善効果の整理、申請書類の作成を進める必要があります。「自社でどこまで対応できるか」を早めに判断することが大切です。

DHorse社会保険労務士事務所では、東海三県を中心に、事業場内最低賃金の確認、月給者の時間額換算、就業規則・賃金規程の整備、勤怠・賃金資料の点検、業務改善助成金の申請支援を行っています。

業務改善助成金の無料相談をする/申請書類の作成のみを相談する

お問い合わせ時に、「申請全体の支援を希望」または「申請は自社で行い、書類作成・点検のみ希望」とお知らせいただければ、ご希望に合わせて確認します。


制度情報は2026年9月18日に確認しました。参照:愛知労働局「愛知県最低賃金を1,195円に引上げます」、岐阜労働局「岐阜県最低賃金の改正決定について」、三重労働局「10月1日から最低賃金が時間額1,143円になります!」、厚生労働省「業務改善助成金」「令和8年度業務改善助成金のご案内」「業務改善助成金Q&A(令和8年9月8日作成)」、三重労働局「交付申請書提出時必要書類一覧(令和8年度版)」「実績報告書提出時必要書類一覧(令和8年度版)」。最低賃金額・発効日、助成金の受付状況・要件・必要書類は変更される場合があります。実際の給与改定、申請、賃上げ、設備発注前に、最新の公式情報と管轄労働局で個別要件をご確認ください。

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