【2026年・第20回】小規模事業者持続化補助金|対象・申請の流れ・注意点

2026年の小規模事業者持続化補助金第20回で設備投資と新サービスを検討する経営者向け記事のサムネイル

設備を導入したい、新しいサービスを始めたいと考えたとき、「小規模事業者持続化補助金は使えるのか」「採択されたらすぐ発注してよいのか」と迷う経営者は少なくありません。

2026年の一般型・通常枠(第20回)は、単なる設備購入を支援する制度ではなく、経営計画に基づく販路開拓等の取組を支援する補助金です。採択前後の手順を誤ると、設備を導入しても補助対象にならない可能性があります。

この記事では、2026年7月21日改版の第8版公募要領を基に、対象条件、設備投資・新規サービスの考え方、申請から入金までの流れ、申請前後の注意点を経営者向けに整理します。

2026年7月30日時点の受付状況

第20回の申請受付は2026年11月5日に始まる予定です。公式サイトでは、ガイドブック、参考資料、FAQ、申請操作手引き、申請URLの一部が準備中です。申請前に必ず最新版を確認してください。

第20回の結論:まず4項目で申請可能性を確認

次の4項目をすべて満たせるかが、最初の判断基準です。

  1. 業種別の小規模事業者基準を満たす
    一般的な「中小企業」でも、従業員数が小規模事業者の基準を超える場合は対象外です。
  2. 設備や新サービスが販路開拓につながる
    新規顧客の獲得、新たな市場への参入、商品・サービスの改良など、売上高・売上総利益の増加へつながる計画が必要です。
  3. 交付決定まで発注・契約・購入・支払いを待てる
    採択は発注の許可ではありません。原則として、交付決定日より前の着手は補助対象外です。
  4. 補助金が入るまで全額を立て替えられる
    補助金は後払いです。設備代や外注費を先に支払い、実績報告と補助金額の確定後に請求します。

販路開拓ではなく、省力化・人手不足対策のための設備導入が主目的なら、中小企業省力化投資補助金の解説も比較してください。

小規模事業者持続化補助金・第20回の期限と金額

項目 第20回の内容
公募要領公開 2026年5月27日
申請受付開始 2026年11月5日
事業支援計画書(様式4)発行受付締切 2026年12月4日
申請受付締切 2026年12月15日17時
採択発表 2027年3月頃予定
見積書等提出期限 2028年2月29日
補助事業実施期限 2028年3月31日
実績報告期限 事業終了後30日または2028年4月10日の早い方

様式4は申請締切より11日早く締め切られます。受付締切後は、どのような理由でも発行依頼ができないとされています。地域の商工会または商工会議所への確認・面談に時間がかかる可能性を考え、直前の依頼は避けましょう。

通常枠の補助率・補助上限

区分 補助率 補助上限
通常枠 2/3 50万円
インボイス特例 2/3 通常枠に50万円上乗せ
賃金引上げ特例 2/3 通常枠に150万円上乗せ
両特例 2/3 通常枠に200万円上乗せ

賃金引上げ特例のうち赤字事業者は、一定要件を満たすと補助率が3/4になります。特例は補助事業終了時点まで要件を維持・達成する必要があり、要件を1つでも満たさない場合は上乗せ部分だけでなく、補助金全体が交付されないことがあります。

例えば、通常枠で補助対象経費が75万円なら、2/3は50万円です。ただし、審査や経費確認により減額・対象外となる場合があり、採択や申請額どおりの受給が保証されるものではありません。

対象となる事業者・対象外となる事業者

業種別の従業員数

業種 常時使用する従業員数
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) 5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 20人以下
製造業その他 20人以下

会社、個人事業主、一定要件を満たす特定非営利活動法人などが対象になり得ます。一方、医師・歯科医師、一般社団・財団法人、医療法人、学校法人、社会福祉法人、申請時点で事業を開始していない創業予定者、任意団体などは対象外です。

法人は、資本金または出資金が5億円以上の法人に直接・間接に100%保有されていないことも必要です。また、申告済みの直近過去3年分の課税所得の年平均額が15億円を超える事業者は対象になりません。

過去に持続化補助金を利用した場合

過去の持続化補助金で必要な事業効果報告が未提出の場合や、所定の再申請可能期間を経過していない場合は申請できません。第20回で採択・事業実施した事業者には、事業効果報告後も含む再申請制限が設けられています。過去採択歴がある場合は、交付回、事業終了日、報告提出状況を先に確認してください。

一般型・通常枠と創業型の重複申請はできません。同じ取組について国の他の補助金を重複して受給することもできないため、併願時は双方の事務局へ確認が必要です。

設備投資・新規サービスは補助対象になるか

判断の中心は、設備の種類や金額ではなく、その支出が経営計画上の販路開拓に必要かです。

対象になり得る例

  • 新商品を製造・販売するためのオーブン、冷凍冷蔵庫、製造機械
  • 新たなサービスを提供するための試作機械や3Dプリンター
  • 新規顧客層を獲得するための商品・サービス改良、試作品開発
  • 新商品・新サービスのチラシ、看板、広告、展示会出展
  • 新たな販路を作るECサイト、予約・受注システムの構築
  • 新サービス提供に必要で、自社では実行が難しい店舗改装や外注業務

設備を導入する場合は、「誰に」「何を」「どのように販売し」「いつまでに売上高・売上総利益をどれだけ増やすか」まで計画に落とし込みます。設備を買って試作するだけで、概ね1年以内の販売見込みがない計画は対象外です。

対象外になりやすい例

  • 古くなった設備の単なる買替え・更新
  • 通常業務で幅広く使えるパソコン、タブレット、事務用プリンター、一般的な周辺機器
  • 自動車、フォークリフト、キッチンカーなどの一般車両
  • 既存事業の通常運営費、家賃、求人広告、会社案内だけの制作
  • 交付決定前に発注・契約・購入・支払いをしたもの
  • 見積書、発注書、納品書、請求書、振込記録、成果物などを用意できない支出

ウェブサイト関連費だけで申請することはできません。ほかの経費と組み合わせる必要があり、同区分の補助金交付申請額には30万円の上限があります。

対象経費は8区分

第20回の対象経費区分は、機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費です。費目名が合っていても、経営計画との関係、実施時期、支払方法、証拠書類が不適切なら対象外になります。

申請から受給までの流れ

  1. GビズIDプライムを取得・更新する
    取得には数週間かかる場合があります。登録情報が古い場合は申請前に更新します。暫定GビズIDプライムは使えません。
  2. 対象条件と過去採択歴を確認する
    従業員数、法人形態、過去の報告状況、創業型や他の国補助金との重複を確認します。
  3. 経営計画・補助事業計画と資金繰りを作る
    市場・顧客ニーズ、自社の強み、販路開拓の方法、売上高・売上総利益の増加見込み、必要経費、立替資金を整理します。
  4. 商工会・商工会議所へ様式4の発行を依頼する
    経営計画等を入力・印刷し、必要書類をそろえて2026年12月4日までに依頼します。商工会地区と商工会議所地区で手順が異なります。
  5. 電子申請する
    郵送は受け付けられません。必要書類をそろえ、2026年12月15日17時までに申請事業者本人が内容を確認して提出します。
  6. 採択結果を確認する
    採択発表は2027年3月頃の予定です。採択は交付決定ではありません。
  7. 全経費の見積書等を提出し、交付決定を待つ
    採択後、計上した全経費について価格の妥当性を示す見積書等を提出します。交付決定は、見積書を速やかに提出しても採択発表から概ね1~2か月かかる場合があります。
  8. 交付決定後に発注・契約し、事業を実施する
    発注、納品、検収、請求、支払いまでの証拠を残し、2028年3月31日までに事業と支払いを完了します。
  9. 実績報告を提出する
    事業終了後30日または2028年4月10日の早い方までに、実施内容と経費の証拠書類を提出します。
  10. 補助金額の確定後に請求し、入金を受ける
    実績報告の審査で補助金額が確定してから請求します。入金時期は審査・修正対応等で変わるため、固定日を前提に資金繰りを組まないでください。
  11. 1年後の事業効果を報告する
    補助事業終了から1年後の状況について、指定期限までに事業効果等状況報告を行います。

「採択されたので発注してよい」は誤りです。

採択後に見積書等の確認を受け、交付決定通知書に記載された交付決定日以降に着手します。納期の長い設備は、交付決定後の発注でも事業期限に間に合うかを販売先へ事前確認してください。

申請前に準備する書類と社内体制

  • 法人:直近1期の貸借対照表・損益計算書など
  • 個人事業主:直近の確定申告書、収支内訳書または青色申告決算書など
  • NPO法人:活動計算書、法人税確定申告書、一定の要件を示す書類など
  • 経営計画・補助事業計画、経費明細、売上高・売上総利益の効果見込み
  • 導入予定設備・外注業務の仕様書、見積書、納期
  • 特例・加点を使う場合の賃金台帳、雇用条件、税申告書等

1件当たりの発注総額が50万円超(税込)の場合は、原則として2者以上から見積を取り、より安価な発注先を選びます。中古品は購入金額にかかわらず、2者以上の中古品販売事業者から同等品の見積が必要で、個人やオークションからの購入は認められません。

実績報告に備え、見積、発注、契約、納品、検収、請求、振込、成果物、設備の設置前後写真を一つの管理表で結び付けておくと確認しやすくなります。補助対象物件への「第20回持続化」の表示や、取得財産等管理台帳の整備も必要です。

申請で失敗しやすい7つの注意点

1.設備購入が計画の目的になっている

審査では、自社の経営状況、強み・弱み、顧客ニーズ、今後の方針と、補助事業の必要性・有効性が確認されます。「補助金があるから機械を買う」ではなく、販路開拓の課題から設備・経費を逆算してください。

2.交付決定前に発注している

見積取得と発注は別です。申請前に見積を取ることは準備として必要ですが、原則として発注・契約・購入・前払いは交付決定後に行います。

3.汎用品や単なる更新を計上している

パソコン、タブレット、一般車両など、通常業務でも使えるものは対象外です。故障設備の入替えなど、従来設備の単なる更新も対象になりません。

4.見積の条件・内訳が不足している

商品名だけで仕様や数量、単価、作業内訳が分からない見積は、価格の妥当性を確認できません。相見積は補助事業者自身が別々の企業から取得します。

5.支払名義と証拠がそろわない

支払いは銀行振込が大原則です。1取引10万円超(税抜き)の現金払い、手形・小切手・相殺は認められません。クレジットカードは申請事業者名義で、事業期間中に引落しまで完了する必要があります。

6.第三者の申請サポートを申告していない

第三者から支援を受けた場合、様式2で支援者と支援金額を申告します。申告漏れは虚偽報告として不採択・交付決定取消しにつながる可能性があります。GビズIDのアカウントやパスワードを支援者へ共有してはいけません。

7.特例の達成可能性を確認していない

インボイス特例・賃金引上げ特例は、実績報告までの達成状況が確認されます。上限を増やす目的だけで選ばず、対象期間、従業員範囲、必要書類、資金負担を試算してください。

受給後の調査・保存義務と匿名化した支援経験

補助金は入金されれば終わりではありません。関係帳簿と証拠書類は、補助事業終了年度の終了後5年間、求めに応じて閲覧できる状態で保存します。単価50万円(税抜き)以上の機械装置、自社ウェブサイトの外注制作、店舗改装などは処分制限財産となる場合があり、目的外使用・譲渡・廃棄等には事前承認が必要です。

株式会社DHorseが申請サポートを行った匿名の事業者では、補助金受給後に調査対応を求められた事例があります。申請した計画に沿って設備・システムや新たな取組を実際に運用しているかなどが確認されました。

これは、すべての補助金や採択事業者に一律で調査が行われるという意味ではありません。ただし、第20回公募要領にも、事業実施状況や取得財産の管理、事業効果を確認するため、証憑提出、電話連絡、訪問を行う場合があると明記されています。

申請計画と実際の実施内容を一致させ、変更が必要なら自己判断で進めないことが重要です。見積書、契約書、請求書、振込記録、納品書、写真、成果物を整理し、導入設備を計画どおり運用してください。

よくある質問

採択されたら設備を発注できますか?

採択だけでは発注できません。採択後に全経費の見積書等を提出し、交付決定通知書を受け取ってから発注・契約・購入・支払いを行います。

パソコンやタブレットは対象ですか?

通常業務で幅広く使えるパソコン、タブレット、事務用プリンター、一般的な周辺機器は対象外です。特定の補助事業で使う予定であっても、汎用性が高い物品は認められません。

ホームページ制作だけで申請できますか?

ウェブサイト関連費だけの申請はできません。ほかの対象経費と組み合わせる必要があり、同区分の補助金交付申請額は30万円が上限です。

補助金はいつ入金されますか?

事業者が事業を実施して全額を支払い、実績報告を提出した後、事務局が内容を審査して補助金額を確定します。その後に請求して入金されます。審査や不備修正の期間で変わるため、特定の入金日を前提にしないでください。

申請サポートを利用できますか?

利用できますが、経営計画を策定し、内容を確認して申請する主体は申請事業者本人です。第三者支援を受ける場合は、支援者と支援金額を正確に申告し、GビズIDの認証情報は共有しないでください。

第20回に向け、今から始める4つの準備

  • GビズIDプライムの取得と登録情報更新
  • 小規模事業者要件・過去採択歴・重複申請の確認
  • 新規顧客・新市場と売上効果から逆算した経営計画の整理
  • 設備仕様・納期・見積、立替資金、証拠書類管理方法の確認

DHorse社会保険労務士事務所と株式会社DHorseのグループ全体では、助成金・補助金を合わせて2,500件の支援実績があります(2026年7月28日確認)。補助金の申請サポートは株式会社DHorseが提供し、制度選定、事業計画の整理、申請書類の準備を支援します。採択や受給を保証するものではなく、申請操作と最終確認は申請事業者本人に行っていただきます。

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制度情報は2026年7月30日に確認しました。参照:中小企業庁「第20回公募要領公開のお知らせ」、小規模事業者持続化補助金事務局「第20回公募 公募要領(第8版)」「商工会議所地区公式サイト」。公募要領・日程・申請資料は改定される場合があります。申請時は、事業所所在地を管轄する商工会・商工会議所と公式サイトで最新版をご確認ください。

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