教育訓練休暇等付与コースは、労働者が自発的に学ぶための有給教育訓練休暇制度を導入・適用した事業主へ、制度導入に対して30万円を助成するコースです。申請の成否を分けるのは、就業規則の施行日より前に計画届、規程、周知、届出の順序を固定することです。
結論:4つの期日を先に決める
- 計画届の提出日:制度施行日の6か月前から1か月前まで
- 就業規則・労働協約の施行日:3年間の計画期間の初日
- 休暇の適用日:対象者が実際に事業主外の教育訓練等を受ける日
- 支給申請日:要件充足後で、原則の計画期間終了後または改正後の早期申請可能日
人材開発支援助成金の7コース全体は、人材開発支援助成金の7コース・対象・申請の流れで比較できます。
教育訓練休暇と長期教育訓練休暇の違い
| 比較 | 教育訓練休暇等付与コース | 人への投資促進コース |
|---|---|---|
| 制度 | 教育訓練休暇制度 | 長期教育訓練休暇制度、教育訓練短時間勤務等制度 |
| 期間・回数 | 3年間に5日以上の有給休暇 | 所定労働日に30日以上の長期休暇、または30回以上の短時間勤務等 |
| 主な助成 | 制度導入30万円(加算36万円) | 制度導入20万円、長期休暇の賃金、新規採用・職務代行等 |
名称は似ていますが、別の助成メニューです。30日以上の長期休暇や短時間勤務は、人への投資促進コースの5メニューを確認してください。
対象となる教育訓練休暇制度の5要件
- 有給休暇であり、雇用保険被保険者を対象にする
- 3年間に5日以上取得できる制度とし、労働者の自発的職業能力開発を目的にする
- 就業規則または労働協約に制度と施行日を明記する
- 施行日までに労働者へ周知し、就業規則は要件に従って労働基準監督署へ届け出る
- 日単位で取得でき、労働者が業務命令ではなく自発的に教育訓練、検定、キャリアコンサルティングを受けられる
制度は「休みを取れる」だけでは不足です。対象となる受講は事業主以外の者が行うもので、年次有給休暇や他の休暇日を後から教育訓練休暇に振り替えても対象になりません。
助成額と最低適用人数
制度導入・適用に対する助成額は30万円です。訓練修了後の賃金5%以上上昇、または資格等手当の要件を満たすと36万円となります。
| 企業全体の雇用保険被保険者数 | 最低適用被保険者数 | 適用日数 |
|---|---|---|
| 100人以上 | 5人 | それぞれ5日以上 |
| 100人未満 | 1人 | 5日以上 |
人数は制度導入・適用計画届の提出時点における企業全体の被保険者数で判定します。時間単位で付与した場合は、対象者の1日の所定労働時間を1日として換算します。
導入から申請までの流れ
1.推進者と事業内計画を整備
事業所ごとに職業能力開発推進者を選任し、事業内職業能力開発計画を策定・周知します。
2.計画届を提出
制度導入・適用計画期間の初日から起算して6か月前から1か月前までに、訓練休暇様式第1号と事前確認書を管轄労働局へ提出します。計画期間の初日は、原則として就業規則または労働協約の制度施行日です。
3.就業規則等に規定・周知
休暇の目的、対象者、有給、3年間5日以上、取得単位、申請方法、施行日を明記します。常時10人以上の労働者を使用する場合は、施行日までに就業規則を労働基準監督署へ届け出ます。
4.休暇を適用し、証拠を保存
労働者の申請、会社の承認、休暇簿、出勤簿、賃金台帳、受講案内、申込書、修了証等を対象者ごとに保存します。
5.支給申請
原則は3年の制度導入・適用計画期間の終了日の翌日から2か月以内です。2026年4月7日改正により、計画期間中に支給要件を満たして書類を提出できる場合は、3年経過前でも申請できます。ただし、早期申請は制度導入日から6か月を経過した日の翌日以降です。
支給申請で揃える主な書類
- 制度導入支給申請書、事業所確認票、支給要件確認申立書
- 制度導入前と導入後の就業規則または労働協約
- 対象労働者の実施状況報告書、雇用契約書または労働条件通知書
- 出勤簿または休暇簿、賃金台帳または給与明細
- 訓練カリキュラム・受講案内、修了証・申込書・領収書等
よくある失敗
- 就業規則を改定・施行してから計画届を準備する
- 休暇を無給で与える、または賃金台帳と勤怠の表示が一致しない
- 会社の業務命令で受ける研修に休暇制度を使う
- 年次有給休暇で受講した日を後から教育訓練休暇に振り替える
- 100人以上の企業で5人未満、または1人の取得5日が未達のまま申請する
- 受講日と休暇日、修了証、賃金の対象期間がずれる
公式情報と相談先
本記事は2026年8月24日に厚生労働省の教育訓練休暇等付与コース・人への投資促進コース詳細版(令和8年8月3日版)を確認して作成しました。制度の施行日を決める前に、最新の支給要領・様式と管轄労働局の案内をご確認ください。
DHorse社会保険労務士事務所では、教育訓練休暇制度の要件判定、就業規則、計画届、休暇・勤怠・賃金・受講記録の整合確認に関する相談を受け付けています。







