人材育成支援コースは、職務に関連するOFF-JTと、対象者によってはOJTを組み合わせた訓練により、訓練経費、訓練中の賃金、OJTの実施に対する助成を受けられるコースです。選び方の基本は、訓練名ではなく、対象者の年齢・雇用形態・正社員転換目的とOJTの有無から判断することです。
結論:4メニューは対象者とOJTで選ぶ
| メニュー | 主な対象 | 訓練方法 |
|---|---|---|
| 人材育成訓練 | 職務関連の専門知識・技能を学ぶ雇用保険被保険者 | 10時間以上のOFF-JT |
| 認定実習併用職業訓練 | 原則、訓練開始日に15歳以上45歳未満の新規雇用者等 | 厚生労働大臣認定を受けたOFF-JT+OJT |
| 有期実習型訓練 | 正規雇用労働者等への転換を目指す有期契約労働者等 | OFF-JT+OJT |
| 中高年齢者実習型訓練 | 訓練開始日に45歳以上の労働者 | 実践的なOFF-JT+OJT |
制度全体の7コースから選びたい方は、人材開発支援助成金の7コース・対象・申請の流れを先にご覧ください。
人材育成訓練
最も幅広いメニューで、対象者の職務に直接関連する専門的な知識・技能を習得させる、10時間以上のOFF-JTが基本です。外部研修、大学・専門学校等の訓練、要件を満たす事業内訓練などが候補です。
中小企業の一般的な助成内容は、正規雇用労働者等の経費助成率45%、非正規雇用労働者は70%、賃金助成は1人1時間当たり800円です。賃金要件または資格等手当要件を満たす場合は、経費助成率がそれぞれ60%・85%、賃金助成が1,000円に上がります。
認定実習併用職業訓練
新卒者等の実践的な人材育成のため、OFF-JTと事業所内のOJTを組み合わせる訓練です。実施前に職業能力開発促進法に基づく認定が必要で、対象者の年齢、雇い入れ時期、訓練期間、OJTとOFF-JTの比率等の要件を確認します。
中小企業の通常分は、OFF-JTの経費助成率45%、賃金助成1人1時間当たり800円、OJT実施助成1人1コース当たり20万円です。賃金要件等を満たすと、60%、1,000円、25万円へ加算されます。
有期実習型訓練
有期契約労働者等に実践的なOJTとOFF-JTを行い、正規雇用労働者等への転換を目指すメニューです。訓練実施だけでなく、対象者のキャリア・コンサルティング、訓練計画、転換後の雇用条件と就業規則を整合させます。
中小企業の基本は、OFF-JTの経費助成率75%、賃金助成1人1時間当たり800円、OJT実施助成1人1コース当たり10万円です。訓練後に正社員化した場合は、それぞれ100%、1,000円、13万円となります。
中高年齢者実習型訓練
訓練開始日に45歳以上の労働者が、今後の職務に必要な実践的スキルをOFF-JTとOJTの組み合わせで習得するメニューです。年齢だけでなく、対象者の雇入れ時期、過去の就業経験、訓練の必要性等の詳細要件を確認します。
中小企業の基本は、OFF-JTの経費助成率60%、賃金助成1人1時間当たり800円、OJT実施助成1人1コース当たり10万円です。賃金要件等を満たすと、75%、1,000円、13万円へ加算されます。
助成率・助成額の比較(中小企業の通常分)
| メニュー | 経費助成 | 賃金助成 | OJT実施助成 |
|---|---|---|---|
| 人材育成訓練 | 正規等45%、非正規70% | 800円/人・時間 | なし |
| 認定実習併用職業訓練 | 45% | 800円/人・時間 | 20万円/人・コース |
| 有期実習型訓練 | 75% | 800円/人・時間 | 10万円/人・コース |
| 中高年齢者実習型訓練 | 60% | 800円/人・時間 | 10万円/人・コース |
実際の支給額は、助成率だけでなく、1人1訓練当たりの上限、1事業所・1年度当たりの上限、対象経費の範囲で決まります。上表はコース選択の目安とし、申請時は最新パンフレットで上限と加算要件を照合します。
OFF-JTとOJTの計画で残す記録
- OFF-JT:カリキュラム、日程、講師、出欠、修了証、勤怠、賃金支払
- OJT:指導者、実施場所、科目、日ごとの時間、受講者・指導者の確認
- 経費:見積、契約、請求、振込、値引・返金・ポイントの有無
- 対象者:雇用契約、雇用保険、年齢、配置、転換後の雇用条件
eラーニングでOFF-JTを行う場合は、人材開発支援助成金のeラーニング対象条件と受講履歴も確認してください。
申請の流れ
- 職業能力開発推進者を選任し、事業内職業能力開発計画を策定・周知する(有期実習型訓練には別の取扱いあり)
- 対象者とメニューを確定し、訓練・OJT・転換計画を作成する
- 原則、訓練開始日の6か月前から1か月前までに計画届を提出する
- 計画どおり訓練を実施し、出欠、勤怠、OJT日誌、支払記録を残す
- 訓練終了翌日から起算して2か月以内を基本に支給申請する
- 加算、正社員化等の要件を実績資料と照合する
公式情報と相談先
本記事は2026年8月24日に厚生労働省の人材育成支援コース詳細版(令和8年8月3日版)を確認して作成しました。年齢、雇い入れ時期、訓練期間、上限額などの詳細要件は、必ず最新資料と管轄労働局でご確認ください。
DHorse社会保険労務士事務所では、対象メニューの判定、訓練計画、OJT記録、就業規則と雇用契約の整合確認に関する相談を受け付けています。







