小規模事業者持続化補助金で設備や内装、広告にどこまで使えるかは、販路開拓の目的と費目ごとの条件で判断します。第20回では広報費・ウェブサイト関連費にそれぞれ30万円の補助上限と単独申請不可の制限があります。見積を確認する順序と対象・対象外の例を整理します。
最終確認:2026年9月11日|一般型・通常枠 第20回公募要領・第8版
対象経費は投資目的・費目・時期・証拠から判断

小規模事業者持続化補助金の対象経費は、購入品の名称だけでは決まりません。第20回一般型・通常枠では、経営計画に基づく販路開拓等に必要な支出であることに加え、対象費目、実施時期、証拠書類の条件を満たす必要があります。
| 確認順 | 判断すること |
|---|---|
| 1 投資目的 | 誰への販売を増やすための取組か |
| 2 費目 | 8区分のどれに該当し、対象外・上限に触れないか |
| 3 時期 | 原則として交付決定後に発注し、期間中に使用・支払いを終えられるか |
| 4 証拠 | 見積・発注・納品・支払い・成果が対応するか |
申請者の要件、補助上限や特例、締切・申請手順は小規模事業者持続化補助金の総合ガイドで確認してください。この記事では、設備・工事・広告の見積をどう整理するかに絞って説明します。
出典:第20回公募要領・第8版(11~12・19~21頁)。
8つの対象経費と対象外になる支出

| 費目 | 検討できる支出例 | 主な注意点 |
|---|---|---|
| 機械装置等費 | 販路開拓等に必要な専用機器・店舗什器 | 汎用品、単なる更新、中古品の条件に注意 |
| 広報費 | 商品・サービスのチラシ、看板、ネット・SNS広告 | 補助金交付申請額は上限30万円、単独不可 |
| ウェブサイト関連費 | 販路開拓用サイト・EC・システムの構築等 | 補助金交付申請額は上限30万円、単独不可 |
| 展示会等出展費 | 販路開拓のための展示会・商談会への出展 | 通常の販売会等との違い、証拠を確認 |
| 旅費 | 展示会出展や販路開拓のための出張 | 目的・旅程が明確で、規程等に沿うこと |
| 新商品開発費 | 新商品の試作に必要な原材料・設計等 | 通常の販売用商品や仕入れとは区分 |
| 借料 | 補助事業に必要な機器等のリース・レンタル | 事業期間分が対象。通常の店舗家賃は対象外 |
| 委託・外注費 | 自社では実施が難しい店舗改装等 | 他費目に該当するものはそちらに計上。内訳を明確にする |
これらに似た支出でも、通常の商品仕入れ、修理、汎用パソコン・タブレット、事務用プリンター、通常の通信費・光熱費などは対象外です。自動車・キッチンカー本体も対象外です。車両の内装・改造工事とは区別してください。
補助金の申請書類作成等に関する支援費用も、補助対象として計上できません。また、国の他制度と重複する経費や、親族・関係会社等への発注にも制限があります。取引先との関係を含めて確認します。
設備導入・厨房機器の対象可否

新商品・販売拡大に必要な設備か
例えば、生産販売の拡大に必要なオーブンや冷凍冷蔵庫、高齢者・乳幼児連れの集客に向けた椅子などは、公募要領に例示されています。一方、老朽化した機械を同じ用途で取り替えるだけでは対象になりません。
厨房機器の見積には、機種・数量・単価と併せて「何を作り、誰に、どの販売経路で提供するか」を対応させます。新しい製品を作れる仕様や販売能力の変化を説明できると、必要性を整理しやすくなります。設備が届いただけで終わらず、補助事業期間内に計画の取組へ使用することが必要です。
中古設備は金額にかかわらず相見積が必要
中古品は購入単価50万円(税抜)未満で、2者以上の中古品販売事業者から同等品の見積を取得することが条件です。金額が小さくても相見積を省略できず、理由書による例外もありません。分割して単価を下げる扱いや、個人・オークションからの購入も認められません。
新品でも、発注総額1件50万円(税込)超は原則2者以上の見積が必要です。なお、単価50万円(税抜)以上の設備は処分制限財産となり、終了後の売却・廃棄等にも承認が必要になるため、長期的な使用計画まで確認してください。
内装工事・バリアフリー化の対象可否

店舗改装は、販路開拓に必要で自社では実施が難しい工事などが委託・外注費の候補になります。たとえば、新しい顧客層を迎えるための売場改装や、来店しづらさを改善するバリアフリー化を検討する場合は、対象顧客と工事の必要性を対応させます。
| 見積に含まれる内容 | 確認の仕方 |
|---|---|
| 顧客用スペースの改装 | 新しい販売方法・客層とのつながりを計画に記載 |
| 従業員の作業動線改善 | 計画の業務効率化の取組として記載する条件を確認 |
| 住宅兼店舗の工事 | 住宅部分と事業部分を見積・図面で区分 |
| 修繕・撤去・不動産取得 | 対象外となる支出を補助対象から除く |
| 一式・諸経費 | 作業内容、数量、単価を出して内訳不明を解消 |
「内装工事一式」だけでは、対象部分と対象外部分を判断できません。図面や施工前の写真に工事範囲を示し、見積項目と対応させましょう。工事後も同じ場所の写真を残すと、実施した内容を説明しやすくなります。
建物の増築・増床、コンテナハウス設置等は、不動産取得に該当する条件を確認します。「小規模な工事だから対象」とは限りません。高額な外注工事等には処分制限が生じる場合もあるため、契約前に要領と事務局の案内を確認してください。
広報費・ウェブサイト関連費の制限と組み合わせ

| 項目 | 広報費 | ウェブサイト関連費 |
|---|---|---|
| 主な用途 | チラシ、商品・サービスの看板、ネット・SNS広告等 | サイト・EC・システムの構築、サイト用写真・動画等 |
| 補助金交付申請額の上限 | 30万円(税込) | 30万円(税込) |
| その費目だけの申請 | 不可 | 不可 |
30万円は制作費・広告費そのものの上限ではなく、その費目に係る補助金交付申請額の上限です。第20回はこの条件で整理し、過去の公募回の「ウェブ費は補助金総額の4分の1」などの説明をそのまま当てはめないでください。
例えば通常枠・補助率2/3で、対象となるサイト制作費45万円と設備費30万円を税抜で計上する仮例では、各補助額は30万円と20万円、合計50万円です。各経費が対象であることや他の条件を満たす前提の計算で、採択を保証する例ではありません。
広報費とウェブサイト関連費を組み合わせる場合も、それぞれの上限と全体の補助上限を守ります。単独申請を避けるためだけに不要な経費を加えず、顧客が広告からサイトへ進み、問い合わせ・購入する流れなど、取組としての必要性を説明します。
広告は補助事業期間中に掲載・配布し、サイトも期間内に運用を始めることが必要です。未配布のチラシや、公開・運用に至らなかったページは対象外になります。ネット広告も配信画面、期間、請求・支払いの対応を保存できるか、契約前に確認してください。
公式活用事例から読む投資と顧客のつながり

以下は中小機構が公表した過去の活用事例です。第20回の採択事例ではなく、同じ支出が現在も対象になると保証するものではありません。投資の目的と顧客の関係を読み取るために紹介します。
| 公表事例 | 投資と目的 | 計画で考える視点 |
|---|---|---|
| 有限会社一葉(日本料理店) | 年配客の利用しやすさを高める椅子を導入 | 設備の機能を顧客の不便の解消につなげる |
| 合同会社ChiefPeak(アイスクリーム) | EC中心の事業から実店舗へ広げ、什器・設備を整備 | 新しい販売経路に必要な設備を整理する |
| 株式会社ドットバレット(海上警備) | ウェブサイト・パンフレット等で販路開拓 | 見込み客に何を伝え、商談へ進めるかを考える |
出典:中小機構「持続化補助金・優良事例発表会」(2026年6月15日)。表の「計画で考える視点」は、公表された取組を踏まえた本記事の整理です。
事例の費目や金額をそのまま写すのではなく、自社の顧客・課題・実施方法に置き換えます。公表事例には、現在の公募で求められる見積や全ての経費条件まで載っているとは限りません。
株式会社DHorseの支援経験と経費の整理

株式会社DHorseの実績には、持続化補助金の申請サポート400件以上があり、飲食店の改装・厨房設備、バリアフリー化、ウェブ・チラシ等の支援例が含まれます(2026年8月10日確認)。採択件数や受給件数とは異なり、第20回での対象可否を保証するものでもありません。
相談時は、購入予定品の一覧だけでなく、対象顧客、売上につなげる方法、導入予定日、見積・図面の有無をまとめてください。複数の工事や広告を一括で依頼する場合も、費目ごとに整理できる見積があると確認が進めやすくなります。
支援を受けても、申請計画を作成し内容を確認するのは事業者本人です。支援範囲・費用・採択後の対応を契約前に確認し、GビズIDの認証情報を他者と共有しないでください。
出典:第20回公募要領・第8版(1頁)。
見積・発注・支払いと残しておく証拠

| 段階 | 残す資料と確認点 |
|---|---|
| 見積 | 仕様・数量・単価・工事範囲。必要な相見積も取得 |
| 発注・契約 | 交付決定日以後の発注日、相手先、内容が分かる記録 |
| 納品・検収 | 納品書、完了報告、設備や施工後の写真 |
| 請求・支払い | 請求書と振込記録等を照合し、補助事業期間内に支払完了 |
| 活用・報告 | サイトの公開画面、広告の配布・掲載記録、設備の使用状況 |
原則として支払いは銀行振込を使います。現金払いには1取引10万円(税抜)超を認めない制限があり、旅費や現金決済しかできない取引等の例外は公募要領の条件を確認してください。カード払いは事業者名義と、期間内の引落し完了を確認します。代表者・従業員の個人カードによる立替えは、帳簿等で確認できないと対象外です。
ネット購入でも、注文日・相手先・内容・金額・支払いを一続きで示す必要があります。領収書だけで十分とは限りません。電子取引の画面が後で見られなくなることも想定し、取引時点で保存してください。
展示会等への出展申込みには交付決定前でも認められる例外がありますが、請求書の発行は交付決定日以後であることが必要です。その他の設備・工事等は、原則として交付決定前に発注・契約・支払をしないでください。
納品や支払いが終わっても、計画で予定した使用・運用が実施期間内にできていなければ対象外となり得ます。関係帳簿・証拠書類は、事業終了年度の終了後5年間保存します。
出典:第20回公募要領・第8版(19~21・24~26頁)。
よくある質問|設備・内装・ホームページ

補助金専用に使うパソコンなら対象ですか?
一般的なパソコンやタブレットは、汎用性が高い機器として対象外です。専用に使うという説明だけで対象にはなりません。ソフトウェア・システムは別の条件で判断します。
壊れた厨房機器をすぐ買い替えたい場合は?
単なる取替え更新は対象外です。また、交付決定前に発注したものも原則対象外です。営業継続のため急いで必要な買い替えを、補助金が使える前提で判断しないでください。
ホームページ制作だけを申請できますか?
第20回はウェブサイト関連費だけでは申請できません。ほかの対象経費と組み合わせ、販路開拓の計画として必要性を説明します。広報費だけの申請もできません。
内装費が全額認められるか、見積だけで分かりますか?
見積だけでは確定しません。工事範囲、事業目的、住宅部分の有無、発注時期などを確認し、審査・実績報告を経て補助額が確定します。
採択されれば、申請した額がそのまま入金されますか?
対象外経費や証拠不足があれば減額・対象外となり得ます。変更時の承認や、各段階の書類も必要です。入金額が確定する前に補助金全額を前提に資金を使い切らないよう、資金計画を用意します。
投資前の最終確認と申請準備への進み方

- 販路開拓の目的と対象顧客を、一文で説明できる。
- 見積を8費目に分け、対象外の支出を外した。
- 広報・ウェブそれぞれの上限と単独申請不可を確認した。
- 相見積、交付決定後の発注、納品・使用・支払いの日程を確認した。
- 証拠書類と成果物を取引単位で保存できる。
経費を整理できたら、対象者・特例・締切と申請準備の総合ガイドへ進み、申請の条件を確認してください。
本記事は2026年9月11日確認の第20回公募要領第8版(2026年7月21日)に基づきます。公募回で経費ルールが変わるため、申請前に商工会地区・商工会議所地区の最新案内を確認してください。
見積や工事内容を持参して相談すると、費目と必要書類を整理しやすくなります。申請サポートの相談は、DHorseへのお問い合わせをご利用ください。







